最判平成11年2月23日 強行法規違反の法律行為の効力

最判平成11年2月23日 強行法規違反の法律行為の効力

【判示事項】 やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力
【判決要旨】 やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である。

判旨
 1 民法六七八条は、組合員は、やむを得ない事由がある場合には、組合の存続期間の定めの有無にかかわらず、常に組合から任意に脱退することができる旨を規定しているものと解されるところ、同条のうち右の旨を規定する部分は、強行法規であり、これに反する組合契約における約定は効力を有しないものと解するのが相当である。

 けだし、やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約は、組合員の自由を著しく制限するものであり、公の秩序に反するものというべきだからである。

 2 本件規定は、これを三1のとおりの趣旨に解釈するとすれば、やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さないものとしていることになるから、その限度において、民法六七八条に違反し、効力を有しないものというべきである。

このことは、本件規定が設けられたことについて一4のとおりの理由があり、本件クラブの会員は、会員の権利を譲渡し、又は解散請求をすることができるという事情があっても、異なるものではない。