2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

偽計による自白 最大判昭和45年11月25日

偽計による自白 最大判昭和45年11月25日■ 事案の概要 被告人は、法定の除外事由がないのに、妻と共謀し、昭和38年10月ころから昭和40年11月1日ころまでの間、被告人方において、旧日本軍拳銃及び実包3発を隠匿所持したとして、鉄砲刀剣類所持等取締法違反、…

約束による自白 最判昭和41年7月1日

約束による自白 最判昭和41年7月1日■ 事案の概要・被告人は、税務署所得税係りに勤務し、所得税算定の基礎となる所得金額及び利益等の決定に関する職務に従事していた。 ・被告人は、Yら名から、所得金額などの査定について行為ある取扱い型を請託され、そ…

自動販売機への有害書籍類の収納禁止の合憲性 福島県少年健全育成条例事件 平成21年3月9日

平成21年3月9日 福島県青少年健全育成条例違反被告事件 主 文 本件各上告を棄却する。 理 由1 被告人両名の弁護人落合洋司の上告趣意のうち,福島県青少年健全育成条例(以下「本条例」という。)21条1項,34条2項(平成19年3月20日福島県条例第…

前科による犯罪事実の立証について 最判平成25年2月20日決定

事件番号 平成23(あ)1789 事件名 住居侵入,窃盗,現住建造物等放火,窃盗未遂被告事件 裁判年月日 平成25年02月20日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 決定 結果 棄却 前科による犯人性の立証については、平成24年9月7日判決が、①「顕著な特徴」を…

戸籍法条の婚外子を別に記載すべきものと定める部分は憲法14条1項に反しないとした事例 最判平成25年9月26日

事件番号 平成24(行ツ)399 事件名 住民票記載義務付け等請求事件 裁判年月日 平成25年09月26日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 戸籍法49条2項1号の規定のうち出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと…

希望の壁事件 大阪地裁仮処分 平成25年9月6日

希望の壁事件 仮処分を却下した事例 大阪地裁 平成25年9月6日平成25年(ヨ)第20003号 工作物設置続行禁止仮処分申立事件 決定債権者 P 1 同代理人弁護士 奥村太朗 同 岡崎行師 同 市場健吾 同 辻岡信也 債務者 積水ハウス株式会社 同代理人弁…

福岡県青少年保護育成条例事件 最判昭和60年10月23日

福岡県青少年保護育成条例事件 最判昭和60年10月23日 主 文 本件上告を棄却する。 理 由■ 争点 一 被告人本人の上告趣意第一部の二ないし四及び第二部の一ないし四は、福岡県青少年保護育成条例(以下、「本条例」という。)一〇条一項、一六条一項の規定は…

岐阜市青少年保護育成条例事件 最判平成元年9月19日

岐阜県青少年保護育成条例事件 主 文 本件上告を棄却する。 理 由 一 弁護人青山學、同井口浩治の上告趣意のうち、憲法二一条一項違反をいう点は、岐阜県青少年保護育成条例(以下「本条例」という。)六条二項、六条の六第一項本文、二一条五号の規定による…

使用者安全配慮義務違反を理由とする労働者の損害賠償請求と弁護士費用 最判平成24年2月24日

使用者安全配慮義務違反を理由とする労働者の損害賠償請求と弁護士費用 最判平成24年2月24日第1 条文・判例最判昭和44年2月27日思うに、わが国の現行法は弁護士強制主義を採ることなく、訴訟追行を本人が行なうか、弁護士を選任して行なうかの選…

遺言による相続分の指定が遺留分を侵害した場合における遺留分減殺請求の効果 最判平成24年1月26日

遺言による相続分の指定が遺留分を侵害した場合における遺留分減殺請求の効果 最判平成24年1月26日第1 条文 (遺言による相続分の指定) 第902条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第…

(3)仙台高裁  平成25年09月17日 裁判所が認定した事実関係の経過

5 裁判所が認定した本件の事実経過 本件の事実経過は,前記前提事実のほか,括弧書きで摘示した証拠(甲5,109〜116,124,125,乙8〜14,21〜23,原告亡G母を除く原告ら本人7名の各供述,被告代表者B3供述,被告B2園長供述,I…

 東日本大震災の地震発生後,高台にある幼稚園から眼下の海沿いの地域に向けて幼稚園送迎バスを出発させ,園児4名が津波に被災して死亡するに至った事案について,被告幼稚園長には情報収集義務違反の懈怠があり,被告幼稚園経営法人と共に損害賠償責任があると判断された事例 仙台高裁 (1)当事者の主張平成25年09月17日

東日本大震災の地震発生後,高台にある幼稚園から眼下の海沿いの地域に向けて幼稚園送迎バスを出発させ,園児4名が津波に被災して死亡するに至った事案について,被告幼稚園長には情報収集義務違反の懈怠があり,被告幼稚園経営法人と共に損害賠償責任があ…

 東日本大震災の地震発生後,高台にある幼稚園から眼下の海沿いの地域に向けて幼稚園送迎バスを出発させ,園児4名が津波に被災して死亡するに至った事案について,被告幼稚園長には情報収集義務違反の懈怠があり,被告幼稚園経営法人と共に損害賠償責任があると判断された事例(4)裁判所の法的判断 仙台高裁  平成25年09月17日

東日本大震災の地震発生後,高台にある幼稚園から眼下の海沿いの地域に向けて幼稚園送迎バスを出発させ,園児4名が津波に被災して死亡するに至った事案について,被告幼稚園長には情報収集義務違反の懈怠があり,被告幼稚園経営法人と共に損害賠償責任があ…

荷送人の依頼に基づき宅配便業者の運送過程下にある荷物について,捜査機関が,捜査目的を達成するため,荷送人や荷受人の承諾を得ずに,これに外部からエックス線を照射して内容物の射影を観察する行為は,検証としての性質を有する強制処分に当たり,検証許可状によることなくこれを行うことは違法であるとした事例 最高裁決定平成21年9月28日

荷送人の依頼に基づき宅配便業者の運送過程下にある荷物について,捜査機関が,捜査目的を達成するため,荷送人や荷受人の承諾を得ずに,これに外部からエックス線を照射して内容物の射影を観察する行為は,検証としての性質を有する強制処分に当たり,検証…

 共犯者とされる証人の証言拒絶が刑訴法321条1項2号前段のいわゆる供述不能に当たるとしてその検察官調書を採用した訴訟手続に法令違反があるとされた事例 東京高等裁判所 第8刑事部 平成22年05月27日

共犯者とされる証人の証言拒絶が刑訴法321条1項2号前段のいわゆる供述不能に当たるとしてその検察官調書を採用した訴訟手続に法令違反があるとされた事例 東京高等裁判所 第8刑事部 平成22年05月27日裁判要旨 共犯者とされる証人が自らの刑事裁判が係…

裁判所が外国人について証人尋問の決定をしているにもかかわらず強制送還が行われた場合であっても,裁判所及び検察官が証人尋問の実現に向けて尽力し,入国管理当局も可能な限りこれに協力しようとしていたなど判示の事情の下においては,当該外国人の捜査官に対する供述調書を刑訴法321条1項2号ないし3号に基づき証拠とすることが許容されるとした事例 東京高裁平成20年10月16日

裁判所が外国人について証人尋問の決定をしているにもかかわらず強制送還が行われた場合であっても,裁判所及び検察官が証人尋問の実現に向けて尽力し,入国管理当局も可能な限りこれに協力しようとしていたなど判示の事情の下においては,当該外国人の捜査…

被疑者が宿泊しているホテル客室に対する捜索差押許可状の執行に当たり,捜索差押許可状の呈示に先立って警察官らがホテル客室のドアをマスターキーで開けて入室した措置は,差押対象物件である覚せい剤を短時間のうちに破棄隠匿されるおそれがあったことなど判示の事情の下では,適法であるとした事例 最決平成14年10月4日

被疑者が宿泊しているホテル客室に対する捜索差押許可状の執行に当たり,捜索差押許可状の呈示に先立って警察官らがホテル客室のドアをマスターキーで開けて入室した措置は,差押対象物件である覚せい剤を短時間のうちに破棄隠匿されるおそれがあったことな…

2020年東京オリンピックと知財法への影響についての早稲田医学知的財産法制度研究制度センターのコラム

早稲田大学知的財産法制度研究制度センターのコラムに オリンピックと知的財産法制度についての非常に有益なコラムが掲載されていますので、紹介させていただきます。法的根拠などにも明確に指摘されており、信頼性のある非常に役に立つ情報ですね。http://w…

設計図面の著作物性 丸棒矯正設計図事件 大阪地裁平成4年4月30日

設計図面の著作物性 丸棒矯正設計図事件 大阪地裁平成4年4月30日 ★実用の機械の著作物性を否定する一方で、その機械の設計図については、原告の設計担当の従業員らが研究開発の過程で得た技術的な知見を反映したもので、機械工学上の技術思想を表現した…

一事不再理効と常習特殊窃盗事案  前訴及び後訴の各訴因が共に単純窃盗罪である場合には,両者が実体的には一つの常習特殊窃盗罪を構成するとしても,前訴の確定判決による一事不再理効は,後訴に及ばないとして事例  最判平成15年10月7日

前訴及び後訴の各訴因が共に単純窃盗罪である場合には,両者が実体的には一つの常習特殊窃盗罪を構成するとしても,前訴の確定判決による一事不再理効は,後訴に及ばないとして事例 最判平成15年10月7日★ 一事不再理効は、公訴事実の同一性・単一性の範…

被告人の現住建造物等放火等の前科に係る証拠を被告人と起訴に係る現住建造物等放火の犯人の同一性の証明に用いることは,前科に係る犯罪事実に顕著な特徴があるとはいえず,同事実と起訴に係る犯罪事実との類似点が持つ両者の犯人が同一であることを推認させる力がさほど強いものではないなどの事情の下では,被告人に対して放火を行う犯罪性向があるという人格的評価を加え,これをもとに被告人が犯人であるという合理性に乏しい推論をすることに等しく,許されないとした事例 最判平成24年9月7日

平成23年(あ)第670号 住居侵入,窃盗,現住建造物等放火被告事件 平成24年9月7日 第二小法廷判決 ★ 前科も一つの事実であり、前科証拠は、一般的には犯罪事実について、様々な面での証拠の価値(自然的関連性)を有している。しかし、前科、特に…

マゼンダ色の利用に商標権侵害が成立するか。T-Mobile US社 vs Aio社

http://wired.jp/2013/09/09/t-mobile-and-att-squabble-over-pink マゼンタ色の利用は商標侵害? 米国携帯通信事業者の争いテキサス州の連邦地裁に提出された訴状で、T-Mobile社と親会社のドイツテレコム(DT)社は、「遠距離通信サーヴィス分野においてT-M…

原告が提供するウェブサイトの入力フォームのアシスト機能に係るサービスである「ナビキャスト」の内容を説明するための資料について、表現上の創作性が認められた事例 平成25年09月12日 東京地方裁判所 

原告が提供するウェブサイトの入力フォームのアシスト機能に係るサービスである「ナビキャスト」の内容を説明するための資料について、表現上の創作性が認められた事例 平成25年09月12日 東京地方裁判所 平成25年9月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書…

建築士法による一級建築士への懲戒処分において処分基準が定められている場合に、処分基準の内容及び適用関係についてまで明らかにする必要があるとした事例 最判平成23年6月7日

建築士法による一級建築士への懲戒処分において処分基準が定められている場合に、処分基準の内容及び適用関係についてまで明らかにする必要があるとした事例最判平成23年6月7日■ 判旨 行政手続法14条1項本文が,不利益処分をする場合に同時にその理由…

公共の危険の認識について、認識不要説にたった判例 最判昭和60年3月28日

最判昭和60年3月28日 ★ 公共の危険の認識について、認識不要説にたった判例 主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人前田裕司、同中川瑞代、同栗山れい子、同山花貞夫、同栗山和也、同西畠正、同井上章夫の上告趣意のうち、原判決がいわゆる共謀共同正…

108条・109条1項所定の物に延焼する危険が生じることは必要ではなく、「公共の危険とは不特定または多数の人々の生命・身体・財産に対する危険」で足りるとした事例・最判平成15年4月14日

最判平成15年4月14日 108条・109条1項所定の物に延焼する危険が生じることは必要ではなく、「公共の危険とは不特定または多数の人々の生命・身体・財産に対する危険」で足りるとした事例 主 文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中510…

クロロホルム事件判決 最判平成16年3月22日

クロロホルム事件判決 最判平成16年3月22日 第1 クロロホルム判決 1 クロロホルム判決は、客観的に存在した第1行為だけでは実行の着手を認めるのが困難であったため、行為者の計画を考慮することにより、すなわち、主観的に行為者が想定した第1行為…

建築物の著作物性 大阪高裁平成16年9月29日

平成15年(ネ)第3575号 著作権侵害差止等請求控訴事件 (原審・大阪地方裁判所平成14年(ワ)第1989号〔第1事件〕、同第6312 号〔第2事件〕) 判決 控訴人(1審両事件原告) 積水ハウス株式会社 同訴訟代理人弁護士 溝上哲也 同 岩原義則 被…

裁判傍聴記の著作物性 ライブドア裁判傍聴記事件 知財高裁平成20年7月17日

平成20年7月17日判決言渡 平成20年(ネ)第10009号発信者情報開示等請求控訴事件 (原審・東京地方裁判所平成19年(ワ)第9982号) 平成20年6月10日口頭弁論終結 ■ 判旨 著作権法による保護の対象となる著作物は,「思想又は感情を創…

アメリカ国際貿易委員会 任天堂wiiは特許侵害にあたらず。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MT18QP6K50XS01.html 任天堂のWiiは特許侵害せず−米ITCが輸入差止要請却下 米国際貿易委員会(ITC)は同委ウェブサイトに掲載した文書で、アポロ・グローバル・マネジメントの傘下にあるテーマパーク運営会社…