2012-01-01から1年間の記事一覧

窃盗罪

窃盗罪 刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪として、10年以下の懲役又は50年以下の罰金に処する 占有とは、財物に対する事実上の支配をいう。 *奪取罪における侵害行為の対象となるものであるから、委託物横領罪における占有とは異なり、…

無権原で建てられた建物の実際の所有者と登記名義人が異なる場合、建

原則 建物を実際に所有し、土地を占拠している者を相手方とする。 例外 自らの意思に基づいて建物所有権の登記を経由した場合には、譲渡による建物所有権の喪失を主張できない。【判決日付】 平成6年2月8日 【判示事項】 甲の所有地上の建物所有者乙がこ…

消滅時効の起算点ーじん肺罹患による損害賠償請求権

【判決日付】 平成6年2月22日 【判示事項】 一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点 二 慰謝料額の認定に違法があるとされた事例【判決要旨】 一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺に…

時効の援用権者

援用 時効の利益を受ける者が時効の利益を受ける意思表示を表示すること援用権者とは、時効により直接の利益を受けるべき者に限られる学説上は間接的に利益を受ける者も含まれる 1 保証人 2 連帯保証人 3 物上保証人 4 抵当不動産の第三取得者 5 売買予…

故意の条件成就 最判平成6年5月31日

条件 法律行為の効力の発生又は消滅を将来の不確実な事実の成否にかからしめる法律行為の附款127条 ? 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。 2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う、 3 当事者…

他人の権利の処分と追認 昭和37年8月10日

116条 無権代理行為の追認追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。根拠 私的自治的決定の尊重追認の効力 原則 無権代理人は契約の時にさかのぼって適法な代理行為が…

無権代理人の本人相続

資格融合説 資格併存説 【判決日付】 平成5年1月21日 【判示事項】 無権代理人が本人を共同相続した場合における無償代理行為の効力 【判決要旨】 無権代理人が本人を共同相続した場合においては、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り…

最判昭和39年5月23日 民法109条 白紙委任状と代理権授与表

最判昭和39年5月23日 民法109条 白紙委任状と代理権授与表示白紙委任状 A 転々流通予定型 白紙委任状の正当な取得者は代理人として行為することが認められ、この者が委任次項について代理をすえば有権代理となる 委任次項以外の事項を行った場合に…

最判平成4年12月10日 利益相反行為と代理権濫用

最判平成4年12月10日 利益相反行為と代理権濫用【判示事項】 一 親権者の代理権濫用の行為と民法九三条ただし書 二 親権者において子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為と代理権の濫用【判決要旨】 一 親権者が子を代理する…

最判平成10年6月11日 意思表示の到達到達 意思表示が相手方の了知され得べき状態に置かれること 相手方が直接受領せずとも、意思表示又は通知を記載した書面が相手方の支配圏内に置かれることをもって足りる*相手方の家族が正当な理由なく拒んだときに…

最判平成元年9月14日 錯誤 法律行為の要素

最判平成元年9月14日 錯誤 法律行為の要素錯誤とは、内心的効果意思と表示の不一致を表意者が知らないこと1 法律行為の要素に錯誤があること 法律行為の要素とは、表意者が意思表示の内容の主要な部分とし、この点に錯誤がなかったならば、表意者は意思…

最判昭和49年9月26日  詐欺におえる善意の第三者の登記の必要

最判昭和49年9月26日 詐欺におえる善意の第三者の登記の必要性善意の第三者とは、詐欺による意思表示を前提として新たに独立の法律上の利害関係を有するに至った者をいう。 第三者は取消しの遡求効により影響を受けるべき者であるので、取り消し前に利…

表見代理(112条)の要件事実

Yから代理権を授与されたAが代理権の消滅後にYのためにすることを示してXと売買契約を締結した場合においてXがYに対して代金の支払いを請求する場合訴訟物 売買契約に基づく代金支払請求権請求原因 1 AがXとの間で売買契約を締結したこと(法律行為…

110条 権限外に行為に基づく表見代理

代理人Aが、Yから授権された範囲を超えてYのためにすることを示してXと売買契約を締結する場合においてXがYに対して代金の支払いを請求する場合訴訟物 売買契約に基づく代金支払請求権請求原因 1 AがXとの間で売買契約を締結したこと(法律行為) …

表見代理の要件事実 代理権授与表示

109条 代理権を有しないAが、Yのためにすることを示してXと売買契約を締結した場合において、Xが代理権授与表示をしたYに対して代金の支払いを請求する場合訴訟物 売買契約に基づく代金支払請求権請求原因 1 AがXとの間で売買契約を締結したこと …

有権代理の要件事実

有権代理の要件事実XとYの代理人Aとの間で売買契約が締結された場合において、XがYに対して代金の支払を請求する場合訴訟物 売買契約に基づく売買代金支払請求権請求原因 1 AがXとの間で売買契約を締結したこと 2 1の際、AがYのためにすることを…

通謀虚偽表示の要件事実

通謀虚偽表示の要件事実事例 ある不動産につき、XからAに対して売買を原因とする所有権移転登記手続がされた上で、更にYのAに対する債権を被担保債権とするY名義の抵当権設定登記が存在する場合に、XがYに対して抵当権設定登記の抹消を請求する場合訴…

最判平成18年2月23日 民法94条2項・110条の類推適用

最判平成18年2月23日 民法94条2項・110条の類推適用? 意思外形対応型 94条2項の類推適用には A 権利者が不実登記を意図的に作出した場合 B 権利者の関与なしに不実登記を後に承認した場合? 意思外形非対応型 110条の法意で保護される類型 C 権利者の認め…

最判昭和45年9月22日 94条2項の類推適用

最判昭和45年9月22日 94条2項の類推適用【判示事項】 不実の所有権移転登記が所有者の承認のもとに存続せしめられていたものとして民法94条2項を類推適用すべきものとされた事例 【判決要旨】 不動産の所有者甲が、その不知の間に甲から乙に対する不実の…

最判平成11年2月23日 強行法規違反の法律行為の効力

最判平成11年2月23日 強行法規違反の法律行為の効力【判示事項】 やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力 【判決要旨】 やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である。判…

最判平成15年4月18日 証券取引における損失保証契約 判示事項 1 法律行為が公序に反することを目的とするものであるかどうかを判断する基準時 2 証券取引法42条の2第1項3号が平成3年法律第96号による同法の改正前に締結された損失保証や特別の利…

最判平成14年3月28日 賃貸借契約の終了と転貸人への対抗

最判平成14年3月28日 賃貸借契約の終了と転貸人への対抗 判示事項 事業用ビルの賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了しても賃貸人が信義則上その終了を再転借人に対抗することができないとされた事例 裁判要旨 ビルの賃貸,管理を業とする会社を賃借人と…