時効の援用権者

援用 時効の利益を受ける者が時効の利益を受ける意思表示を表示すること

援用権者とは、時効により直接の利益を受けるべき者に限られる

学説上は間接的に利益を受ける者も含まれる


1 保証人
2 連帯保証人
3 物上保証人
4 抵当不動産の第三取得者
5 売買予約の仮登記のんされている不動産の第三者取得者(予約完結権の消滅時効について)
6 売買予約の仮登記に遅れる抵当権者
7 詐害行為の受益者
8 譲渡担保権者から非担保債権の弁済期後に目的物を譲り受けた第三者清算金支払請求権について)

判例によって援用権者と認めらえれなかった者
1 表見相続人からの譲受人
2 取得時効について、土地所有権を取得すべき者から同人所有の建物を賃借している者
3 千順位抵当権の被担保債権の消滅時効について後順位抵当権者


援用の場所
不確定効説 裁判外でもなし得る


援用の効果が及ぶ範囲
援用権者が数人いる場合、1人が援用してもその効果は他人には及ばない(援用の相対効)

1 保証人が主債務の消滅時効を援用しても、その効果は主債務者に及ばない。保証人との関係で主債務が消滅するだけ。ただし、主債務者が援用して主債務が消滅すると付従性で保証債務も消滅する。

2 被相続人の占有により取得時効が完成した場合、その共同相続人の1人は、自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。

連帯債務について439条の特則がある。