2015-01-01から1年間の記事一覧

最判平成22年6月17日 売買の目的物である新築建物に重大な暇疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において,当該暇疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど,社会通念上,建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには,上記建物の買主がこれに居住していたという利益については,当該買主からの工事施工者等に対する不法行為に基づく建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできないとした事

最判平成22年6月17日 売買の目的物である新築建物に重大な暇疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において,当該暇疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど,社会通念上,建物自体が社会経済的な価値…

最判平成25年7月12日 (1)登録価格が固定資産評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回る場合は,その登録価格は違法である。(2)独自の鑑定意見書を提出して,登録価格が客観的な交換価値を上回るということを直接主張・立証することはできないとした事例

最判平成25年7月12日 (1)登録価格が固定資産評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回る場合は,その登録価格は違法である。(2)独自の鑑定意見書を提出して,登録価格が客観的な交換価値を上回るということを直接主張・立証すること…

最判平成25年10月25日 収用委員会の裁決の判断内客が損失補償に関する事項に限られている場合でも,損失補償に関する訴えではなく,裁決の取消訴訟を提起することができるとした事例

最判平成25年10月25日 収用委員会の裁決の判断内客が損失補償に関する事項に限られている場合でも,損失補償に関する訴えではなく,裁決の取消訴訟を提起することができるとした事例 事件番号 平成24(行ヒ)187 事件名 徳島県収用委員会裁決取消請求事…

最決平成25年11月21日  会社の訴訟追行と信義誠実の原則:新株発行無効判決の対世効と第三者による再審の訴え

最決平成25年11月21日 会社の訴訟追行と信義誠実の原則:新株発行無効判決の対世効と第三者による再審の訴え事件番号 平成24(許)43 事件名 再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 裁判年月日 平成25年11月21日 法廷名 最高裁判所…

最判平成22年10月19日 取消債権者が弁論準備手続で被保全債権を別の債権に変更したところ、この債権が訴訟提起後弁論準備手続に入る前に時効期間を経過していた場合、詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は、取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するものではないから、かかる変更は攻撃防御方法が変更されたにすぎず、訴訟提起により消滅時効は中断するとした事例

最判平成22年10月19日 取消債権者が弁論準備手続で被保全債権を別の債権に変更したところ、この債権が訴訟提起後弁論準備手続に入る前に時効期間を経過していた場合、詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は、取消債権者が有する個々の被保全…

最判平成21年12月8日 精神医学者の精神鑑定における意見のうち被告人が心神喪失の状態にあったとする部分を前提資料や推論過程に疑問があるとして採用せず,責任能力の有無・程度について,被告人の犯行当時の病状,犯行前後の言動や犯行の動機,従前の生活状態から推認される人格傾向等を総合考慮して,統合失調症による病的体験と犯行との関係,被告人の本来の人格傾向と犯行との関連性の程度等を検討し,被告人が心神耗弱の状態にあったと認定した原判決の判断手法に誤りはないとした事例

最判平成21年12月8日 精神医学者の精神鑑定における意見のうち被告人が心神喪失の状態にあったとする部分を前提資料や推論過程に疑問があるとして採用せず,責任能力の有無・程度について,被告人の犯行当時の病状,犯行前後の言動や犯行の動機,従前の…

最判平成21年11月18日 町議リコール請求の無効取り消し訴訟

最判平成21年11月18日 町議リコール請求の無効取り消し訴訟 事件番号 平成21(行ヒ)83 事件名 解職請求署名簿無効決定異議申立棄却決定取消請求事件 裁判年月日 平成21年11月18日 法廷名 最高裁判所大法廷 裁判種別 判決 結果 破棄自判 判例集等巻・号…

最判平成26年10月23日 女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置と雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項

最判平成26年10月23日 女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置と雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項 事件番号 平成24(受)2231 事件名 地位…

最判平成26年10月29日  岡山県議会の議員が県から交付された政務調査費の支出に係る1万円以下の支出に係る領収書その他の証拠書類等及び会計帳簿が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例

最判平成26年10月29日 岡山県議会の議員が県から交付された政務調査費の支出に係る1万円以下の支出に係る領収書その他の証拠書類等及び会計帳簿が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例事…

最判平成26年12月12日  共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき,相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し,それが預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合,上記預り金の返還を求める債権は当然に相続分に応じて分割されることはなく,共同相続人の1人は,上記販売会社に対し,自己の相続分に相当する金員の支払を請求することができないとした事例

最判平成26年12月12日 共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき,相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し,それが預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合,上記預り金の返還を求める債権は当然…

最判平成27年4月15日 準強制わいせつ被告事件において保釈を許可した原々決定を取り消して保釈請求を却下した原決定に刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

最判平成27年4月15日 準強制わいせつ被告事件において保釈を許可した原々決定を取り消して保釈請求を却下した原決定に刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例 事件番号 平成27(し)223 事件名 保釈許可決定に対する抗告の決定…

最判平成23年9月14日 被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可し,証人に示した写真を証人尋問調書に添付した裁判所の措置に違法がないとされた事例

最判平成23年9月14日 被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可し,証人に示した写真を証人尋問調書に添付した裁判所の措置に違法がないとされた事例事件番号 平成21(あ)1125 事件名 強制わいせつ被告…

最判平成22年4月8日 ネットの発信者情報に関して、接続業者に開示義務があるとした事例

最判平成22年4月8日 ネットの発信者情報に関して、接続業者に開示義務があるとした事例 事件番号 平成21(受)1049 事件名 発信者情報開示請求事件 裁判年月日 平成22年4月8日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 民…

最判平成22年3月25日  金属工作機械部分品の製造等を業とするX会社を退職後の競業避止義務に関する特約等の定めなく退職した従業員において,別会社を事業主体として,X会社と同種の事業を営み,その取引先から継続的に仕事を受注した行為が,X会社に対する不法行為に当たらないとされた事例

最判平成22年3月25日 金属工作機械部分品の製造等を業とするX会社を退職後の競業避止義務に関する特約等の定めなく退職した従業員において,別会社を事業主体として,X会社と同種の事業を営み,その取引先から継続的に仕事を受注した行為が,X会社に…

最判平成22年6月17日 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において,当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど,社会通念上,建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには,上記建物の買主がこれに居住していたという利益については,当該買主からの工事施工者等に対する不法行為に基づく建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできないとした事

最判平成22年6月17日 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において,当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど,社会通念上,建物自体が社会経済的な価値…

最判平成22年3月17日 街頭募金詐欺について包括一罪と解することができるとされた事例

最判平成22年3月17日 街頭募金詐欺について包括一罪と解することができるとされた事例 事件番号 平成21(あ)178 事件名 職業安定法違反,詐欺,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反 裁判年月日 平成22年3月17日 法廷名 最高裁判所第…

最判平成22年10月26日  航行中の航空機同士の異常接近事故について,便名を言い間違えて降下の管制指示をした実地訓練中の航空管制官及びこれを是正しなかった指導監督者である航空管制官の両名に業務上過失傷害罪が成立するとされた事例

最判平成22年10月26日 航行中の航空機同士の異常接近事故について,便名を言い間違えて降下の管制指示をした実地訓練中の航空管制官及びこれを是正しなかった指導監督者である航空管制官の両名に業務上過失傷害罪が成立するとされた事例 事件番号 平成…

最判平成22年1月26日 当直の看護師らが抑制具であるミトンを用いて入院中の患者の両上肢をベッドに拘束した行為が,診療契約上の義務に違反せず,不法行為法上違法ともいえないとされた事例

最判平成22年1月26日 当直の看護師らが抑制具であるミトンを用いて入院中の患者の両上肢をベッドに拘束した行為が,診療契約上の義務に違反せず,不法行為法上違法ともいえないとされた事例事件番号 平成20(受)2029 事件名 損害賠償請求事件 裁判年月日…

最判平成23年4月26日  精神神経科の医師の患者に対する言動と患者の言動に接した後にPTSD(外傷後ストレス障害)と診断された症状との間に相当因果関係があるということはできないとされた事例

最判平成23年4月26日 精神神経科の医師の患者に対する言動と患者の言動に接した後にPTSD(外傷後ストレス障害)と診断された症状との間に相当因果関係があるということはできないとされた事例 事件番号 平成21(受)733 事件名 損害賠償請求事件 裁判…

最判平成23年4月28日 共同配信記事名誉毀損事件

最判平成23年4月28日 共同配信記事名誉毀損事件事件番号 平成21(受)2057 事件名 損害賠償請求事件 裁判年月日 平成23年4月28日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 民集 第65巻3号1499頁 原審裁判所名 東京高等裁…

最判平成21年11月30日 分譲マンションの各住戸に政党の活動報告等を記載したビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に管理組合の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例

最判平成21年11月30日 分譲マンションの各住戸に政党の活動報告等を記載したビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に管理組合の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた…

最判平成24年2月29日  現住建造物等放火被告事件につき,ガスコンロの点火スイッチを作動させて点火し,台所に充満したガスに引火,爆発させたとの訴因に対し,訴因変更手続を経ることなく,何らかの方法により上記ガスに引火,爆発させたと認定したことは,引火,爆発の原因が上記スイッチの作動以外の行為であるとした場合の被告人の刑事責任について検察官の予備的な主張がなく,そのような行為に関し求釈明や証拠調べにおける発問等もされていなかったなどの審理経過の下では,被告人に不意打ちを与えるものとして違法であるとした事例

最判平成24年2月29日 現住建造物等放火被告事件につき,ガスコンロの点火スイッチを作動させて点火し,台所に充満したガスに引火,爆発させたとの訴因に対し,訴因変更手続を経ることなく,何らかの方法により上記ガスに引火,爆発させたと認定したこと…

最判平成22年1月26日 非居住者の協力金の徴収は適法とした事例

最判平成22年1月26日 非居住者の協力金の徴収は適法とした事例事件番号 平成20(受)666 事件名 協力金請求事件 裁判年月日 平成22年1月26日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別 判決 結果 破棄自判 判例集等巻・号・頁 集民 第233号9頁 原審裁判所名 …

最判平成21年11月26日例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとした事例

最判平成21年11月26日例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとした事例 事件番号 平成21(行ヒ)75 事件名 横浜市立保育園廃止処分取消請求事件 裁判年月日 平成21年11月26日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集…

最判平成25年1月22日  地上権設定契約及び土地賃貸借契約において,ゴルフ場経営を目的とすることが定められているにすぎず,当該土地が建物の所有と関連するような態様で使用されていることもうかがわれないという事実関係の下においては,借地借家法11条の類推適用をする余地はないとした事例

最判平成25年1月22日 地上権設定契約及び土地賃貸借契約において,ゴルフ場経営を目的とすることが定められているにすぎず,当該土地が建物の所有と関連するような態様で使用されていることもうかがわれないという事実関係の下においては,借地借家法1…

最決平成25年2月26日  被告人質問において被告人に示され,公判調書中の被告人供述調書に添付されたが,これとは別に証拠として取り調べられていない本件の電子メールは,その存在及び記載が記載内容の真実性と離れて証拠価値を有するものであり,被告人に対してこれを示して質問をした手続に違法はなく,被告人がその同一性や真正な成立を確認したとしても,独立の証拠又は被告人の供述の一部となるものではないとした事例

最決平成25年2月26日 被告人質問において被告人に示され,公判調書中の被告人供述調書に添付されたが,これとは別に証拠として取り調べられていない本件の電子メールは,その存在及び記載が記載内容の真実性と離れて証拠価値を有するものであり,被告人…

最判平成27年2月29日 非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらないとした事例

最判平成27年2月29日 非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,商法(平成17年法律第87号による改正前…

最判平成27年2月19日 共有に属する株式についての議決権の行使は,当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し,又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り,株式の管理に関する行為として,民法252条本文により,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決せられるとした事例

最判平成27年2月19日 共有に属する株式についての議決権の行使は,当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し,又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り,株式の管理に関する行為として,民法252条本文により,各共有者の持分…

最判平成26年11月25日 不特定の者である顧客によるダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用した送信により,わいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させることは,刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録の「頒布」に当たるとした事例

最判平成26年11月25日 不特定の者である顧客によるダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用した送信により,わいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させることは,刑法175条1項後…

最判平成26年7月24日  元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときには,当該超過額を将来発生する債務に充当する旨の当事者間の合意があるなど特段の事情のない限り,当該超過額は,その支払時点での残債務に充当され,将来発生する債務に充当されることはないとした事例

最判平成26年7月24日 元利均等分割返済方式によって返済する旨の約定で金銭消費貸借契約が締結された場合において,借主から約定の毎月の返済額を超過する額の支払がされたときには,当該超過額を将来発生する債務に充当する旨の当事者間の合意があるな…