民法総則メモ

第1 一般条項
1 権利の濫用
 権利濫用の法理 不法行為的機能 規範創造的機能 強制調停的機能
2 信義誠実の原則 消滅時効の援用が許されない場合
 最判昭和51年5月25日
 所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効は肯定
 登記請求権の消滅時効 所有権に基づく登記請求権は時効消滅しない
 農地所有権の取得時効
 時効の援用と一般条項
  債務者が支払うような態度を装い、債権者として適時の訴訟提起その他時効中断の措置を怠らせ、時効期間経過後になって時効を援用する場合には、新語則上相当期間だけ時効の完成が期待され、その間に権利を行使しなければ時効にかかる
 信義則適用の要件
  調停による贈与で権利関係が明確であること
  農地の引渡しを受け長期にわたり耕作を継続したこと
  許可申請協力請求権の不公使も諸状況からみて社会的に責められるべきほどでないこと等を総合考慮

第2 人
1 人格権 北方ジャーナル事件 最判昭和61年6月11日
 出版物に対する仮処分による事前差止めは検閲に当たらない
 名誉侵害について、物権の場合と同じように排他性があるとして、差止請求権は認められる
 差止請求権が認められる要件
  高度の違法性 個別的または類型的衡量説 現実の悪意説 特別基準設定説
  判例は、比較衡量で検討 表現内容が真実ではなく、又はそれがもっぱら公益を図る目的のものでないことが明白であって、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがあるとき

2 意思能力なき者の行為
 私的自治の原則から、自己の意思に基づいて権利義務関係形成を尊重し、行為の意味を理解することができない状態でなされた意思の表示には、権利義務関係形成を認めることができない
 無効とはいえ、相手方保護の要請から、表意者側からのみ主張させる相対的無効を考えることも可能
 行為無能力者制度と無能力者制度の両立
 取消しと無効の二重効 いずれも法律の効果発生を否定する法律上の根拠づけにすぎない

3 制限行為能力者であることの黙秘
 無能力者が能力者であることを誤信させるために、相手方に対して積極的術策を用いた場合にかぎるものではなく、無能力者がとを欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合を包含するとい解するべきである。したがって、無能力者であることを黙秘していた場合でも、それが、無能力者の他の言動と相まって相手方を誤信させ、または誤信を強めたと認めらえるときは、詐術にあたる。

第3 法人
1 法人の目的の範囲
 労働金庫の員外貸付と当該債権を担保するための抵当権
2 法人の目的の範囲 八幡製鉄事件
3 権利能力なき社団の成立要件
 団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、
 その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していること
 権利能力なき社団の新たに船員された代表者は社団の資産である不動産について登記名義を有する旧代表者に対して所有権移転登記手続きを請求できる
 権利能力なき社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務について各構成員は取引の相手方に対して直接個人的債務ないし責任は負わない
 脱退した構成員は社団の資産の持分ないし分割請求権を有しない
4 権利能力なき社団の取引上の債務と構成員の個人責任 − 否定
 構成員全員に1個の義務として総有的に帰属するとともに、社団総有財産だけが責任財産となる
 権利能力なき社団の目的ないし性質によって個別具体的に検討する見解 社団財産の独立性のみから有限責任を導くことは適切か
5 権利能力なき財団
 個人財産から分離独立した企保財産の存在と財産運営のための組織の存在
 権利能力なき財団の代表者の責任−社団・財団の責任財産が明示されていないこと
 判例は、権利能力なき財団の代表者は、財団が負った債務について個人s経妊を追わない。
 もっとも、別途不法行為責任を検討しうる。

第4 物
1 海の一部と所有権
 海の状態のままで排他的支配が可能でない限りは私的所有権の対象とはならない。

第5 法律行為
1 民法90条
 ホステスの保証契約