最判平成27年3月27日 西宮市営住宅条例(平成9年西宮市条例第44号)46条1項柱書き及び同項6号の規定のうち,入居者が暴力団員であることが判明した場合に市営住宅の明渡しを請求することができる旨を定める部分は,憲法22条1項に違反しない。

最判平成27年3月27日 西宮市営住宅条例(平成9年西宮市条例第44号)46条1項柱書き及び同項6号の規定のうち,入居者が暴力団員であることが判明した場合に市営住宅の明渡しを請求することができる旨を定める部分は,憲法22条1項に違反しない。…

最判平成24年2月13日 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師が,当該鑑定を行う過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為は,医師がその業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏示するものとして刑法134条1項の秘密漏示罪に該当するとした事例

最判平成24年2月13日 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師が,当該鑑定を行う過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為は,医師がその業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏示す…

最判平成20年11月10日 ショッピングセンターにおいて女性客の後ろを執ように付けねらい,デジタルカメラ機能付きの携帯電話でズボンを着用した同女の臀部を近い距離から多数回撮影した本件行為(判文参照)は,被害者を著しくしゅう恥させ,被害者に不安を覚えさせるような卑わいな言動に当たるとした事例

最判平成20年11月10日 ショッピングセンターにおいて女性客の後ろを執ように付けねらい,デジタルカメラ機能付きの携帯電話でズボンを着用した同女の臀部を近い距離から多数回撮影した本件行為(判文参照)は,被害者を著しくしゅう恥させ,被害者に不…

最判平成23年2月22日  遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはないとした事例

最判平成23年2月22日 遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係…

最判平成22年6月29日 権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の正本のほか,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書を添付

最判平成22年6月29日 権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記…

最判平成22年6月29日  葬儀場の営業を行う業者が,その近隣に居宅を共有してこれに居住する者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わないとされた事例

最判平成22年6月29日 葬儀場の営業を行う業者が,その近隣に居宅を共有してこれに居住する者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わないとさ…

最判平成23年10月31日  飲酒酩酊状態にあった被告人が直進道路において高速で自動車を運転中,先行車両に追突し,死傷の結果を生じさせた事案につき,被告人はアルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態にあったとして,危険運転致死傷罪が成立するとされた事例

最判平成23年10月31日 飲酒酩酊状態にあった被告人が直進道路において高速で自動車を運転中,先行車両に追突し,死傷の結果を生じさせた事案につき,被告人はアルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができな…

最判平成26年9月5日 NHK放送受信料の時効 受信料が月額又は6箇月若しくは12箇月前払額で定められ,その支払方法が2箇月ごとの各期に当該期分を一括して支払う方法又は6箇月分若しくは12箇月分を一括して前払する方法によるものとされている日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権の消滅時効期間は,民法169条により5年と解すべきである。

最判平成26年9月5日 NHK放送受信料の時効 受信料が月額又は6箇月若しくは12箇月前払額で定められ,その支払方法が2箇月ごとの各期に当該期分を一括して支払う方法又は6箇月分若しくは12箇月分を一括して前払する方法によるものとされている日本放…

最判平成27年4月9日  責任を弁識する能力のない未成年者が,サッカーボールを蹴って他人に損害を加えた場合において,その親権者が民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったとされた事例

最判平成27年4月9日 責任を弁識する能力のない未成年者が,サッカーボールを蹴って他人に損害を加えた場合において,その親権者が民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったとされた事例事件番号 平成24(受)1948 事件名 損害賠償請求事件 …

最判平成22年12月16日 転得者による真正な登記名義の回復を原因とする中間省略登記の可否(許されないとした事例)

最判平成22年12月16日 転得者による真正な登記名義の回復を原因とする中間省略登記の可否(許されないとした事例) 事件番号 平成21(受)1097 事件名 持分所有権移転登記手続,遺産確認,共有物分割請求本訴,持分所有権移転登記手続請求反訴事件 裁判…

最判平成27年3月26日  非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことはできないとした事例

最判平成27年3月26日 非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことはでき…

最判平成24年3月16日古田補足意見 民法397条による抵当権消滅について

裁判官古田佑紀の補足意見は,次のとおりである。 法廷意見は,取得時効の完成後所有権移転登記をする前に,第三者が抵当権の設定を受けその登記がされた場合,抵当権が実行されると占有者は所有権を失うことになることに着目して権利の対立関係を認め,第三…

最判平成24年3月16日 不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を授用したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,上記占有者が,上記不動産を時効取得する結果,上記抵当権は消滅するとした事例

最判平成24年3月16日 不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占…

最判平成27年3月24日  再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によるものとして有効であるとした事例

最判平成27年3月24日 再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,…

最判平成27年3月10日  裁判員裁判における審理及び裁判の特例である区分審理制度は,憲法37条1項に違反しないとした事例

事件番号 平成25(あ)755 事件名 営利誘拐幇助,逮捕監禁幇助,強盗殺人幇助,殺人被告事件 裁判年月日 平成27年3月10日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 原審裁判所名 仙台高等裁判所 原審事件番号 平成24(う)18 原…

東京地裁平成25年3月14日  国民の選挙権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることが「やむを得ない」と認められる事由がなければならず、成年被後見人は選挙権を有しないと定めた公職選挙法11条1項1号は、選挙権に対する「やむを得ない」制限であるということはできず、憲法15条1項及び3項、43条1項並びに44条ただし書きに違反するとした事例

事件番号 平成23(行ウ)63 事件名 選挙権確認請求事件 裁判年月日 平成25年3月14日 裁判所名 東京地方裁判所 分野 行政 判示事項 公職選挙法11条1項1号の合憲性 裁判要旨 憲法は,選挙権が,国民主権の原理に基づく議会制民主主義の根幹と位置付けられる…

最判平成24年11月27日 金融機関Yをいわゆるアレンジャーとするシンジケートローンへの参加の招へいに応じた金融機関Xらに対しYが信義則上の情報提供義務を負うとされた事例

最判平成24年11月27日 金融機関Yをいわゆるアレンジャーとするシンジケートローンへの参加の招へいに応じた金融機関Xらに対しYが信義則上の情報提供義務を負うとされた事例要旨 金融機関Xらが,Aの委託を受けた金融機関Yから,Yをいわゆるアレ…

最判平成7年12月15日 何人も個人の私生活上の自由の一つとしてみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反し許されないとした事例

事件番号 平成2(あ)848 事件名 外国人登録法違反 裁判年月日 平成7年12月15日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 刑集 第49巻10号842頁 原審裁判所名 大阪高等裁判所 原審事件番号 原審裁判年月日 平成2年6月19日 判…

最判平成24年2月9日 重大な損害が生じるおそれの意義

最判平成24年2月9日 重大な損害が生じるおそれの意義 事件番号 平成23(行ツ)177等 事件名 国歌斉唱義務不存在確認等請求事件 裁判年月日 平成24年2月9日 法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 民集 第66巻2号183頁 …

最判平成25年9月13日 保証人による主たる債務の相続と保証債務の弁済により消滅時効の中断・保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有するとした事例

最判平成25年9月13日 保証人による主たる債務の相続と保証債務の弁済により消滅時効の中断・保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の…

最判平成25年11月29日 遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消のために共有者が採るべき手続

最判平成25年11月29日 遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消のために共有者が採るべき手続 1. 共有物について,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合,共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法と…

最判平成27年3月10日  外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金という費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するなどの本件事実関係(判文参照)の下では,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができるとした事例

最判平成27年3月10日 外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金という費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するなどの本件事実関係(判文参照)の下では,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除する…

最判平成14年3月28日 ビルの賃貸、管理を業とする会社を賃借人とする事業用ビル1棟の賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了した場合において、賃貸人が、賃借人にその知識、経験等を活用してビルを第三者に転貸し収益を上げさせることによって、自ら各室を個別に賃貸することに伴う煩わしさを免れるとともに、賃借人から安定的に賃料収入を得ることを目的として賃貸借契約を締結し、賃借人が第三者に転貸することを賃貸借契約締結の当初から承諾していたものであること、当該ビルの貸室の転借人及び再転借人が、上記のような目的の下に賃貸

最判平成14年3月28日 ビルの賃貸、管理を業とする会社を賃借人とする事業用ビル1棟の賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了した場合において、賃貸人が、賃借人にその知識、経験等を活用してビルを第三者に転貸し収益を上げさせることによって、自ら…

最判平成27年3月10日 国籍法12条は憲法14条に反しないとした事例

最判平成27年3月10日 国籍法12条は憲法14条に反しないとした事例事件番号 平成25(行ツ)230 事件名 国籍確認請求事件 裁判年月日 平成27年3月10日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別 判決 結果 棄却 判例集等巻・号・頁 原審裁判所名 東京高等裁…

最判平成23年1月21日  不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することはできないとした事例

最判平成23年1月21日 不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,…

最判平成27年3月5日 公害紛争処理法に基づく調停において,調停委員会が第1回調停期日で調停を打ち切るなどした措置が国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとされた事例

最判平成27年3月5日 公害紛争処理法に基づく調停において,調停委員会が第1回調停期日で調停を打ち切るなどした措置が国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとされた事例事件番号 平成25(受)1436 事件名 損害賠償請求事件 裁判年月日 平成2…

最判平成23年10月18日 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に,当該物の所有者が,自己と同契約の受託者との間に同契約に基づく債権債務を発生させる趣旨でこれを追認したとしても,その所有者が同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得すると解することはできないとした事例

最判平成23年10月18日 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に,当該物の所有者が,自己と同契約の受託者との間に同契約に基づく債権債務を発生させる趣旨でこれを追認したとしても,その所有者が同契約に基づく販売代金の引渡請求…

最判平成27年3月4日 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきであるした事例

最判平成27年3月4日 被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補…

最判平成23年12月16日 法令違反の建物の建築を目的とする請負契約等の公序良俗違反該当性

最判平成23年12月16日 法令違反の建物の建築を目的とする請負契約等の公序良俗違反該当性 事件番号 平成22(受)2324 事件名 請負代金請求本訴,損害賠償等請求反訴事件 裁判年月日 平成23年12月16日 法廷名 最高裁判所第二小法廷 裁判種別 判決 結果 破…

最判平成25年4月9日 建物部分と一体になっている看板等の撤去請求と権利の濫用

最判平成25年4月9日 建物部分と一体になっている看板等の撤去請求と権利の濫用 事件番号 平成24(受)2280 事件名 建物明渡等請求事件 裁判年月日 平成25年4月9日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別 判決 結果 破棄自判 判例集等巻・号・頁 集民 第243…